偏見・差別「ある」75% 性の悩みある回答者 性の多様性で県民意識調査


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 沖縄県は11日、「男女共同参画社会づくりに関する県民意識調査」の概要を公表した。調査は5年ごとで、今回の調査では初めて性の多様性についての質問を設けた。「自分の体の性・心の性または性的指向に悩んだことがある」と回答した人に、LGBTの人が困難に思うことを尋ねると(複数回答可)、75%が「自らが認識する性とは異なる性の振る舞いを強制される」「偏見、差別がある」と回答した。また67.5%が「法整備が不十分」と回答しており、性的少数者が直面する苦悩が浮き彫りになった。

 調査は8~9月に実施した。県内各市町村から無作為に抽出した満20歳以上の男女7500人を対象とし、1721人から回答があった。回答結果はいずれも速報値。

 「自分の体の性・心の性または性的指向に悩んだことがある」と回答した人は全体の4・6%だった。「悩んだことがある」人を年代別にみると、20代8.5%、30代10.4%、40代5.2%、50代4.6%、60代1.3%、70代以上1.7%だった。また性の多様性についての考え方については、全体の75%余が理解を示す回答をした。

 一方、性の多様性に関連する言葉の意味については理解が進んでいない実態が明らかになった。

 LGBTの分類に当てはまらない人も含めた「性の多様性」を表現する言葉「SOGI(ソジ)」については79.5%が、性的指向や性自認を本人の許可なく暴露する行為「アウティング」については71.1%がそれぞれ知らないと回答した。

 県知事選で「県LGBT宣言」を公約に掲げた玉城デニー知事は、県議会9月定例会でも「性の多様性宣言(仮称)」の検討を表明している。11日に開かれた県の「性の多様性の尊重に関する検討委員会」の初会合では、性の多様性を尊重する「宣言」について議論した。