OISTと沖縄市が協定 学術研究・人材育成で連携 社会問題の解決へ


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協定を締結したOISTのメアリー・コリンズ研究・学務総括副学長(左)と沖縄市の比嘉良憲教育長=12日、沖縄市役所

 【沖縄】沖縄市教育委員会と沖縄科学技術大学院大学(OIST)は12日、学術研究や人材育成に関する相互連携・協力協定を締結した。OISTによると、生物多様性や自然環境など自然史分野の研究での市町村との協定締結は県内で初めて。調査研究で連携し、教育現場での活用や社会問題の解決につなげる。

 OISTは沖縄本島の自然環境を網羅的・継続的に観測する「OKEON美ら森プロジェクト」を2014年から開始し、沖縄市立郷土博物館と調査研究で連携してきた。研究成果は、博物館での企画展開催や、普及啓発を目的とした冊子出版に活用してきた。協定締結により連携をさらに強化する。OISTの吉村正志博士は「地域に根付いて知識を集積してきた博物館との連携で、次世代の人材育成につなげたい」と話した。

 沖縄市役所での締結式で比嘉良憲教育長は「持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて研究機関と行政との連携は重要だ」、OISTのメアリー・コリンズ研究・学務総括副学長は「沖縄の自然環境保全のため、市民が学びの意識を高める必要がある」とそれぞれあいさつした。