嘉手納騒音「米軍が対策」 外務副大臣 軍転協要請に回答


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
岸信夫防衛相(中央)に要請書を手渡す玉城デニー知事(左から3人目)ら=13日、防衛省

 【東京】宇都隆史外務副大臣は13日、米軍基地問題に関する要請のために訪れた玉城デニー知事らに対し、米軍嘉手納基地の周辺で騒音や悪臭被害が出ている対策として、米側が風向きによってエンジン調整の場所を調整するといった対策を試験的に実施していることを明らかにした。一方、米国大使館で会談したヒル駐日米首席公使は日米地位協定改定の要望に対し「必要ない」との考えを示した。米軍普天間飛行場の辺野古移設についても「着実に進めるべきだ」との認識を示した。

 県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協、会長・玉城知事)による要請の場で答えた。

 嘉手納基地では航空機の排気ガスなどによる悪臭が問題となっているほか、通称「パパループ」と呼ばれる民間地に近接する元駐機場が航空機の点検で使用されていることによる騒音被害が課題となっている。

 悪臭については官邸で会談した杉田和博官房副長官も「かなり関心を持っていた」(當山宏嘉手納町長)とし、改善に向けた取り組みの感触を得たとした。

 當眞淳宜野座村長は、基地外居住者が飼うペットによる咬傷(こうしょう)事案があったとし、ペットの予防接種を含む情報提供を求めた。米側は「しっかり調査をし、出せる情報は出したい」と述べたという。

 また、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)を巡る米側との交渉が本格化するのを前に、従業員の労務費が減れば雇用や県経済に影響が出る可能性があるとして「適切な措置」を求めた。現行の駐留経費負担を巡る協定では福利厚生施設で働く従業員の日本側負担の上限が515人分削減され、労働条件などに影響が出ているという。