「米兵事件の多発は遺憾」沖縄県が綱紀粛清を要求 米側は「おわび」


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キャンプ瑞慶覧(フォスター)

 10月末から11月初めにかけて相次いで米兵が逮捕されたことを受け、県の金城賢知事公室長は13日、キャンプ瑞慶覧(フォスター)と在沖米総領事館を訪れ「事件の多発は大変遺憾で、怒りを禁じ得ない」と抗議した。金城知事公室長によると、海兵隊は米軍の内部規則に違反している兵士が含まれることを認めたが、個々の事件については今後、検証する考えを示し、詳細を明らかにしなかった。

 フォスターでは米海兵隊太平洋基地政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐が、総領事館ではジェシカ・メギル首席領事が、それぞれ対応した。抗議の場は非公開で、終了後、取材に応じた金城知事公室長によると、米側の両氏は「県民に不安を与えたことに、おわび申し上げる」と謝罪した。

 金城公室長は再発防止策として綱紀粛正と隊員教育の徹底、その内容を県民に公表すること、被害者への謝罪と適切な補償を要請した。国や県など関係機関と「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム(CWT)」の早期開催に向けた協力も求めた。

 10月末から11月初めまでの2週間で米兵13人が逮捕された。うち11人が米海兵隊員で、他の軍種と比べて突出している。うるま市で8日に発生した強盗事件で逮捕されたのもキャンプ・ハンセン所属の海兵隊員だった。県が米軍の中でも海兵隊に直接抗議したのはそのためだ。

 海兵隊の他は海軍と空軍が1人ずつだ。海兵隊は新型コロナウイルスの感染対策として人口の多い那覇市への立ち入りを禁じているが、3人が那覇市で逮捕された。

 県によると、13日の金城賢知事公室長の抗議に対し、米海兵隊側は「ほとんどの隊員は決まりを守っている」との認識を示した。