「先輩築いた遺産を食いつぶした」 社民党大会で照屋議員が福島党首を批判


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 【東京】14日に開かれた臨時党大会で、社民党の分裂が決定的となった。沖縄県連は28日の執行委員会で今後の対応を決めるとして現時点で離党や合流参加についての明言を避ける一方、議案採決にあたっての質疑で照屋寛徳衆院議員が「先輩方が築いた遺産を食いつぶしたのはあなただ」と福島瑞穂党首を痛烈に批判する一幕もあり、議場は一時騒然となった。

社民党の臨時党大会での質疑で福島瑞穂党首を批判する照屋寛徳衆院議員=14日、東京

 「うゎーびちゅらーが、うちくんじょー」

 質疑に立った照屋氏は、壇上の福島氏に向かってこんな言葉を投げ掛けた。

 「表面を取り繕うが、内心は根性の悪い者」を表すウチナーグチで党代表を批判した格好だ。発言の最中には「やめろ」など怒号に近いやじも飛び交い、場内は不穏な空気に包まれた。

 大会終了後の取材にも、照屋氏は「指導性がない。党をまとめていこうという理念、努力が皆無」と福島党首への不満を募らせた。

 党脱退が取りざたされている自身の対応については「任期が残っている」と明言を避け、衆院沖縄2区で後継候補に据える新垣邦男・北中城村長の次期選挙での当選に「集中する」と述べるにとどめた。

 吉田忠智幹事長の解任動議も提出されるなど紛糾した党大会では、国会議員や地方組織の立憲民主党合流を容認する議案が9票差で可決された。国会議員の照屋氏と沖縄県連の代議員3人はいずれも賛成に回った。沖縄県連は事前協議で立憲との合流に「賛成」の立場を確認しており、党中央の内紛に不満や戸惑いもくすぶる。若い世代を中心に「立憲への合流」を望む声が多く、「残留も離党も認めるという、どっちつかずの議案に批判的な意見もある」(県連幹部)という。

 県連書記長の仲村未央県議は「県民の声を届けるためにはとにかく国政で勝つことだ。若い党員が展望を持てるような党体制を作らなければいけない」と危機感をにじませた。