喜納、収穫の2位 東京パラへ上半身強化に手応え 大分車いすマラソン


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喜納 翼

 大分車いすマラソンは15日、大分県庁前―大分市営陸上競技場のコースで行われ、女子日本記録保持者で東京パラリンピック代表を目指す喜納翼(タイヤランド沖縄)が1時間41分24秒で2位に入った。優勝はマラソンとトライアスロンで東京パラ出場を目指す46歳の土田和歌子(八千代工業)で、記録は1時間39分42秒だった。喜納は現在世界ランキングで国内トップの4位で、東京パラ代表入りを狙える位置につけている。今大会は新型コロナウイルスの影響で海外の選手を招待せず、国内選手のみで実施した。

 30キロ地点で差し掛かる大野川大橋の上り坂。このコースで昨年、日本記録を出した車いすマラソンT34/53/54クラスの喜納翼は1年間のウエートトレーニングの成果を測るポイントと定めていた。着順2位でタイム更新とはならなかったが、課題の上り坂を「すんなり上れた」と手応えは十分。来年の東京パラリンピック代表入りを信じ「やることは変わらない」と迷いはない。

 レースも終盤に訪れる大野川大橋の高低差6メートルの難所に、昨年は「だいぶきつくていっぱいいっぱいだった」。他選手に比べ「大柄」な分、上り坂での負荷に耐えられず「置いていかれていた」と過去のレースを振り返る。

 それだけに強化してきた上半身の力を出し切れた今回のレースは、今後のトレーニングに向けても明るい材料になった。

 東京パラの代表入りには昨年の日本記録更新が優位に働きそうだ。世界ランキングは現在4位。国際大会の結果で順位は変わりうるが「今考えてもしょうがない。それよりも3月以来のフルマラソンで喜びと感謝の気持ちが大きい」と笑った。この喜びを意欲に変えて、来年の東京パラに向けて走り続ける。