那覇市首里儀保町の石畳が広がる散歩道に「家族と食べたいおうちごはん」をテーマにした食堂カフェがある。木枠のドアを開けると、店内に木のぬくもりがあふれる「カフェ木箱」だ。栄養士の資格を持つオーナーの真謝亜希子さん(46)が、どの世代にも合う味わいのメニューを提供する。
4年前、廃材などを使って古い建物を改装した。工務店を営む夫の卓憲さんが内装を手作りした。木のぬくもりとおもちゃ箱をひっくり返したような感覚を取り入れたという。「木」と「箱」を組み合わせて「木箱」と名付けた。
料理は「てびちと冬瓜(とうがん)定食」など県産食材にこだわり、県の「おきなわ食材の店」に認定された。「おじいちゃんや、おばあちゃんの家の台所で手伝いをしているイメージ」の店にしたという。
真謝さんはカフェ木箱について「普段着な食卓」と表現する。「祖父母から教えてもらった素朴な味や、地元のことを若い世代の人にも知ってほしい。おうちの台所のように気楽に寄ってもらいたい」と語った。
(中川廣江通信員)