「また帰ってきてねー」 オオゴマダラ飛んで行け 卵から育てた園児らが放蝶


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オオゴマダラを放つ園児ら=4日、恩納村立恩納幼稚園の庭

 【恩納】恩納村立恩納幼稚園(長尾順子園長)で園児たちによるオオゴマダラの放蝶(ほうちょう)が4日、行われた。オオゴマダラの卵から幼虫、さなぎ、成虫に成長するまで約1カ月間、46人の園児たちが先生の指導で餌をあげて育てた。皆で丸く大きな輪になり、オオゴマダラの歌で一斉に大空に放った。

 放蝶の前に企画・担当した松田拓也教諭がさなぎからチョウになるまでの園児たちとの観察記録をビデオで流して、自然の中にチョウを放してあげることで新しい命につながることを話した。

オオゴマダラが頭にとまり喜ぶ園児

 放蝶に立ち会った長嶺八重子さん(74)は恩納幼稚園卒業生で、元教諭。園の庭には長嶺さんが30年ほど前に植えたホウライカガミがあり、チョウが卵を産み付け、葉が幼虫の餌になっている。同幼稚園はオオゴマダラ飼育の先駆けで、他の幼稚園にも広がったという。

 笑顔で空を見上げチョウを見送った園児たちは、口々に「育てて面白かった」「葉を食べるのがかわいかった」「さなぎがきれいだった」と話し「また帰ってきてねー」とみんなで手を振っていた。

 飛び立ってすぐ、女児の頭にとまりリボンになったチョウに「カワイイ!」と友達が集まった。松田教諭は「飼育は私も興奮し感動したので、子どもたちに命の大切さ、自然とのつながりを感じてもらえれば」と感慨深げに話した。
 (小山猛三郎通信員)