周りと違っても大丈夫 性の多様性学ぶ講演会 沖縄・宮古島


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 【宮古島】宮古島市平良久貝の久松中学校は10日、レインボーハートプロジェクトokinawa代表の竹内清文さん(43)を招き、性の多様性を学ぶ講話を開いた。帽子にチョッキ、シャツに靴下の全身ピンクで現れた竹内さんが「男らしくでも女らしくでもなく、自分らしく。周りと違って大丈夫」と語り掛けると、生徒らは心に刻むように何度もうなずいた。

生徒に自身の体験を交えて講演する竹内清文さん=10日、宮古島市の久松中学校

 竹内さんは性的マイノリティー(LGBTなど)の当事者として、県内の養護教諭と連携し中高生らを対象に講演活動をしている。9~10日の日程で宮古島市内の小中学校を回った。10日にはLGBTや性の多様性に関する基礎知識に相談窓口などを盛り込んだパンフレット2千部を宮古島市に寄贈した。市は市内の学校を通し生徒らに配布する。

 久松中の講演で、竹内さんはLGBTの人は人口の約5%いると説明した。自身がゲイであることを両親や友人に話せず、苦しんだことや、同じ境遇の知人が自ら命を絶ってしまったことを明かした。トイレや制服など、男女で分けられる現状から日常生活においても悩みを抱える人がいること、誰にも相談できずに今も苦しんでいる人がいる現状を語った。

 「性の多様性は命に関わることでもある。人は一人一人違って当たり前で、おかしいと思わず自分や周囲の人を大切にしてほしい。悩んでいることがあるなら相談してほしい」と訴えた。

 生徒を代表して漢那桜子さんが感謝を述べた。「LGBTの人が人口の5%と知り、身近にたくさんいると気付いた。自分の周りの人を大切にしたいし、何かあれば相談にのるなど協力して頑張りたい」と誓った。