青い海守る植物「ベチバー」で正月しめ縄作り 赤土流出もコロナ禍も「退散」


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 持続可能な開発目標(SDGs)の推進に取り組む琉球新報社は21日、恩納村の赤土流出対策として植えられたイネ科植物ベチバーを使ったしめ縄作りワークショップを那覇市の同本社で開いた。村農業環境コーディネーターの桐野龍さんは「ベチバーのグリーンベルトは赤土流出を防ぐ効果が大きいが、持続的な管理は農家には負担」と現状を説明した。農家に還元しようと2年前にベチバーを活用した「美ら海しめ縄」を商品化した。「購入することで誰でも持続可能な赤土対策に参加できる」と意義を話した。

 ベチバーのグリーンベルトは県事業として県内全域で行われている。桐野さんは「この草を活用したクラフト作りが他の自治体にも広がれば」と期待した。

 ベチバーと養殖サンゴを使った「美ら海しめ縄」は恩納村のふるさと納税返礼品として出品されている。年末に恩納村の道の駅で販売予定。

 ワークショップでは恩納村と、村内で農業指導をする安富祖常雄さんの協力で、社員約20人が社屋用の大型しめ縄を製作した。2畳分ほどのベチバーを広げ、束を作るところから始めた。幅2メートルもある社屋用の大型しめ縄を脚立の上からつるし「疫病退散」「景気回復」と願い、3人がかりで縄をなっていった。