沖縄の米軍基地「全国の50%に」玉城知事が県外移転に意欲 ジャーナリスト会議


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オンラインイベントで米軍基地問題について語る玉城デニー知事=22日

 玉城デニー知事は22日、日本ジャーナリスト会議(JCJ)主催のオンラインイベントに参加した。沖縄の日本復帰50年を迎えるに当たって「新しい振計とともに、(全国の在日米軍専用施設のうち)70・3%の在沖米軍基地を、せめて50%に減らそうというぐらいの具体的な計画を持ってもいい」と述べ、米軍基地の大幅縮小に向けた計画策定の必要性に言及した。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、国が提出した設計変更申請に対する県知事の判断時期について、「年明け以降になる。十分精査する」と述べて年内の判断は見送る見通しを示した。

 在沖米軍基地の機能を県外の自衛隊基地へ移転する「基地引き取り」の議論については、「沖縄からすると、ありがたい。県がもっと必死になって本土の皆さんに訴えなければならない」と評価した。

 イベントは、毎日新聞の大治朋子記者、BS―TBSコメンテーターの堤伸輔氏、編集者の鈴木耕氏が玉城知事に質問する形で進んだ。

 米軍の那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設を巡り、玉城知事は環境保護の必要性や辺野古新基地建設への対応との矛盾を問われたが、移設を前提とした上で環境に配慮するという従来の考えを説明した。沖縄振興では、再生可能エネルギーや医療ツーリズムに取り組むコスタリカを視察したいという意向を示した。

 玉城知事は沖縄の米軍基地集中の割合を50%まで低減させる目標を掲げた一方、SACO(日米特別行動委員会)合意が全て完了した場合でも、現行の整理縮小計画は県内移設が前提となっているため、米軍専用施設の割合は全国約69%にしかならない。負担割合の大幅引き下げには、県内移設条件付き返還への対応などが問われそうだ。