沖縄の「まちなか留学」が秘める可能性 全国に発信 スタートアップ企業「HelloWorld」


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
「地域でできる国際交流の可能性を広めたい」と話す比嘉麻里萌さん=13日、沖縄市内

 【沖縄】国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けたビジネスプランやアイデアを競う「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会」に、沖縄で生まれたスタートアップ企業HelloWorld(沖縄市、野中光代表)が出場する。全国の約50の応募の中から県内で唯一最終選考に残った。最終選考は24日に、オンラインで開催される。同社は県内の外国人の家庭を訪問し、交流する「まちなか留学」事業を展開している。発表に挑む比嘉麻里萌さん(26)は自身の留学経験も踏まえ「外国人との交流は語学力だけでなく視野が広がる。その経験を、県内でできることを伝えたい」と意気込む。

 「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会」は、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所などが若者による社会課題解決を支援するプログラムの一環で開催。「まちなか留学」は元々「沖縄に来ても友人がなかなかできない」と話す在住外国人や「お金や時間の問題で留学になかなか行けない」と語る学生、保護者のニーズを受けて始めた。SDGsの「質の高い教育をみんなに」「平和と公正をすべての人に」などの目標達成を事業を通して目指す。

 今年は新型コロナウイルス感染症で海外渡航が制限される中、感染対策を行いながら事業を推進。まちなか留学をした学生から「海外のニュースに興味を持つようになった」「沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者に影響を受け科学への関心が高まった」などの反応があるとし、比嘉さんは「まちなか留学が持つ可能性を感じている」と話す。

 最終選考は午後7時からで視聴者投票も可能。沖縄市の創業支援施設スタートアップラボラグーンでパブリックビューイングも予定している。