わいせつ被害の中3、内申を気にして欠席できず 加害教諭も翌日出勤


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 中学3年生の時に40代の男性教諭からわいせつ行為を受けた女子生徒(享年16)が約1年後に自ら命を絶った問題で、加害教諭はわいせつ行為をした翌日も出勤していたことが24日までに分かった。母親(41)が気付いて学校に抗議した後、学校側は加害教諭を休ませたが、2日間は学校で女子生徒と顔を合わせる可能性があった。母親によると、高校入試を控えた女子生徒は内申点を気にして可能な限り出席していたが、約1カ月後から休みがちになったという。

 わいせつ行為があったのは2013年11月14日。学校側は同日中に行為を把握し、那覇市教育委員会に報告した。加害教諭は金曜日だった15日に出勤し、土日をはさんで月曜日の18日も出勤した。市教委によると、加害教諭が事情聴取を受けた資料が残っているため、事情聴取のために出勤した可能性があるという。

 母親が友人らから聞いた話によると、女子生徒は走って教室を移動するなど、加害教諭を避ける行動を取っていたという。母親は18日に学校に抗議し、加害教諭は19日から休んだ。加害教諭はうつ状態と診断され、26日から懲戒免職処分が発令される14年3月まで病休した。

 母親によると、女子生徒は13年12月ごろから休みがちになったが、欠席により内申点が下がることを気にしていたという。母親は出席の扱いについて学校に相談し、当時の教頭は「何とかする」と回答したが、実際は欠席となっていた。高校入試の際には面接官から「なぜ3年の後半から休みがちなのか」と聞かれたという。

 わいせつ行為を受けた後、母親は刑事責任を問うため那覇署に相談。当時の那覇署の担当者が何度も女子生徒に被害届を出すよう促したが、女子生徒は加害教諭やその家族の生活に影響が出ることを心配し、被害届を出さなかったという。

 那覇市教委はわいせつ行為が発覚した後の対応について、中学卒業までスクールカウンセラーを派遣していたことなどを挙げ「できる限りの対応を尽くしていた」と説明した。

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