OISTの技術、リウボウと沖縄ファミマが商品化へ 第1弾はプロテインのカプセル包装


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新技術の商業化や連携促進で覚書を締結した沖縄科学技術大学院大学のピーター・グルース学長(左)とリウボウ商事の糸数剛一社長=25日、県庁記者会見室

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)とリウボウ商事(糸数剛一社長)は25日、新技術の商業化や販売促進を推進する覚書を締結した。連携の第1弾として、OIST発のベンチャー企業「REPS JAPAN」(恩納村、ザッカリー・ベルCEO)の製品「SEEDテック」の商業化を目指している。両社はリウボウグループ傘下の沖縄ファミリーマートなどでの展開を見据えて、準備を進めている。

 連携はOISTが提唱する、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する技術発展を目指す「ディープテック・アイランド構想」の一環。150以上の特許をもつOISTの技術を商品化し、リウボウグループのコンビニ、百貨店、スーパーで展開することで消費者のニーズを把握できるほか、将来的には海外展開も視野に入れる。さらに、リウボウの商品開発やマーケティングの知識を生かし、短期間で商業化する体制を整えていく考え。

 SEEDテックは、粉状のプロテインを飲みやすいように固形カプセルに圧縮する技術。使用分を個別に包装するため、持ち運びしやすいことが特徴となっている。商品化に向けてトレーニングジムのトレーナーなどから聞き取りを始めている。

 25日に記者会見したOISTのピーター・グルース学長は連携について「今後、さらにさまざまな産業と協力が進むと思うが素晴らしいスタートが切れた。県民の皆様に貢献できると確信している」と語った。

 糸数社長は「造る側と売る側の機能を一緒に作業していくことに大きな可能性を感じている。(連携で)沖縄経済全体に造る力が生まれる」と語った。