小6・平野さん数検2級に合格 県内最年少か 憧れはピタゴラス「いつか公式見つけたい」


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数学検定2級に合格した屋部小学校6年の平野陽輝さん(右)と父親の聡太郎さん=24日、名護市の同校

 【名護】高校2年生レベルに相当する実用数学技能検定(日本数学検定協会主催)の2級にこのほど、名護市立屋部小学校6年の平野陽輝(はるき)さん(12)が合格した。2級に合格した県内の最年少は10年ほど前に小学6年生がおり、最年少タイとみられる。数学の問題がプリントされたTシャツを着込んだ平野さんは「スイッチが入れば勉強は楽しい」と目を輝かせる。

 平野さんが数学に興味を持ったのは小学5年の頃。授業参観で算数の授業を見た父親の聡太郎さん(44)に、正方形の一辺の求め方を尋ねられたことがきっかけ。平野さんは「計算機を使っても答えが出ない。お父さんにルート(平方根)を教えてもらって、答えが出せたことではまった」と振り返る。

 琉球大学理学部卒で元消防士の聡太郎さんが家庭で中学レベルの数学を教えていたが、学習速度が速くすぐに高校レベルに達した。「専門の塾に任せなければ」と思い立ち、大北数理教室(大城宜実代表)の門をたたいた。同教室は小学生は対象ではないが、平野さんの学習レベルと数学に取り組む姿勢を認め、個別指導や数学サークルなどで大城代表が指導した。

 平野さんの次の目標は県内で最年少となる「中学1年で準1級に合格」。開業医の母親の背中を見て育つ平野さんの夢は「患者を治せる医師になること」。目標に向かい、球陽中学校進学を目指して勉強中だ。

 妻の開業準備のため浦添市消防本部を退職し、名護市に転居した聡太郎さんは「『北部に引っ越したら子どもの勉強や進学はどうする』と周囲に心配されたが、自然の中でも学べるし、きっかけさえあれば勉強が好きになるはずだ」と目を細めた。

 フェルマーやガウス、ピタゴラスなど、定理を発見した数学史上の偉人に憧れているという平野さん。「いつか自分も公式や定理を見つけたい。自分と同じように、他の小学生も好きなことに自信を持って打ち込んでほしい」と話した。