辺野古新基地建設巡る抗告訴訟がきょう判決 実質審議に入らず


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普天間飛行場移設に伴う新基地建設の現場=6月(資料写真)

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県が国を相手に起こした抗告訴訟の判決が27日午後1時半から那覇地裁(山口和宏裁判長)で言い渡される。県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法として、県が処分取り消しを求めている。ただ、裁判は県の狙いに反して実質的な審議に入らないまま結審しており、厳しい判決が予想される。

 今回の抗告訴訟で、県は国交相裁決の適法性そのものを争点とし、中身の審理に持ち込む狙いがあった。埋め立て予定地で軟弱地盤が見つかったことなどから埋め立て承認の撤回は適法と主張。県の撤回を取り消した国交相裁決は違法であり、取り消されるべきだと訴えた。

 国は過去の判例から、県の訴えが裁判の対象にならないと反論。裁決の中身に踏み込まず、却下を求めている。裁判は具体的な審理に至らないまま、わずか2回の弁論で結審した。

 県は2018年8月、辺野古沖の埋め立て承認を撤回。これに対し沖縄防衛局は行政不服審査制度を利用して国交相に審査請求を申し立て、19年4月に国交相が県の承認撤回を取り消す裁決をした。承認撤回の効力を復活させようと県は国交相裁決の取り消しを求める訴訟を2件起こした。昨年7月に提訴した「関与取り消し訴訟」は、今年3月に県の敗訴が確定している。