国際理解作文コンで与那嶺さんが優秀賞 上海から移住、沖縄での出会いをつづる


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田端一正教育長(左)に受賞を報告する与那嶺源太さん(中央)=20日、那覇市教育委員会

 那覇市立安岡中学校1年の与那嶺源太さん(12)がこのほど、「第60回国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト」(外務省など主催)で、優秀賞の一つである安達峰一郎記念財団賞に輝いた。20日に那覇市教育委員会の田端一正教育長を訪ね、受賞を報告した。作文では中国・上海から沖縄に移り住んだ時の「A君」との出会いを基に「世界から争いや差別を減らすには、まずお互いのことに興味を持つことが大事だ」とつづった。

 与那嶺さんの両親は那覇市出身で、与那嶺さん自身も那覇市で生まれた。父の仕事のため1歳の時に上海に移り住んだ。今年2月に家族旅行でグアムに向かったが、旅行中に中国で新型コロナウイルス感染が拡大したため、父だけ上海に戻り、与那嶺さんと母、弟は一時的に沖縄に住むことにした。

 与那嶺さんは沖縄の学校に通い始めたが、中には与那嶺さんを無視する生徒もいた。

 一方でA君は「中国の生活ってどんな感じだったの」と話し掛けてくれたとい、与那嶺さんは「不安から解放された」という。作文で「争いは相手のことに関心を持たず一方的な判断をしているため起こる」と指摘した。「相手に興味を持つコミュニケーションが連鎖すれば、異なる価値観を受け入れられて世界平和につながっていく」と記した。

 コンテストは全国から1242件の応募があり、特賞に4人、優秀賞に3人が選ばれた。

 与那嶺さんは受賞について「率直にうれしい。自分も平和について考えるきっかけになった」と話した。12月に上海に戻る予定で「将来は世界と沖縄をつなぐ人になりたい」と目標を語った。

 田端教育長は「受賞おめでとう。将来、世界平和に貢献できる仕事に就けるよう応援している」と激励した。