豊見城市で議論の的「こども未来基金」 市民会議、必要性求めつつ「周知足りない」


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
こども未来市民会議で活発に意見を交わす委員ら=5日、豊見城市役所

 【豊見城】豊見城市は5日、切れ目のない子育て支援を実施するための「第2回こども未来市民会議」を市役所で開いた。保育・福祉・教育関係者や公募による委員ら10人が参加し、活発に意見を交わした。9月に市議会で否決された「こども未来基金」について質問や意見が集中した。

 「基金は必要だが、予算や仕組みを市民にも分かりやすくしてほしい」「周知が足りない」などの指摘が出た。委員らは会議後、山川仁市長と小川和美副市長とも意見交換した。

 市民会議は山川市政が掲げる「子ども改革」の一環。同会議で幅広い意見を聞き、子育て施策に反映させることを目的としている。

 この日、委員らの意見が集中した「こども未来基金」は、市税やふるさと納税の一部、企業や個人からの寄付を積み立て、段階的給食費無償化や習い事助成などの財源とするものだ。

 委員からは全体的に基金の必要性を求める声が上がった。その上で「基金を知らない市民が多い」「市民にとって基金は必要だと、もっと周知した方がいい」との委員の声に対し、市は市の広報誌やホームページ、LINEで周知していると答えた。委員は「老人会やマスコミ、企業などを巻き込み大きなつながりをつくって周知した方がいいのでは」と要望した。

 また、予算に関して「一般財源と未来基金の違いが分からない。どうして基金じゃないといけないのか。市民に分かりやすく一つ一つクリアしていかないといけない」との指摘も。さらに「基金、仕組みの在り方を検討していいのではないか。企業が“自分が関わっている感”を感じられる寄付しやすい仕組みづくりが大事だ」との声も上がった。

 議会で可決されなければ「絵に描いた餅になる」として「市長らは議会外でも野党と話し合ってほしい」と求める声もあった。

 会議終了後の意見交換で小川副市長は「周知について、市民に伝わっていないことを深く反省しないといけない」と述べた。山川市長は「基金は多くの市民が求めている重要施策だと思っている。与野党関係なく伝わるよう取り組んでいきたい。市民に知ってもらう施策展開をしていきたい」と話した。市は同会議の第1回目を9月に実施した。本年度中に第3回目を予定している。