事業承継の問題を支援 M&A仲介のストライク、沖縄で本格展開


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
県内での事業展開を本格化させているM&A仲介大手のストライクの荒井邦彦社長=16日、東京都千代田区の同社

 【東京】M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東京都、荒井邦彦社長)が、沖縄県内での事業展開を本格化している。県内の経営者は全国と同様に高齢化が進んでいる。同社は今後、事業承継目的のM&Aが増えると判断、県内での受託に向けコンサルタントの派遣など強化している。

 荒井社長によると、県内で同社が手掛ける相談件数は現在15件。建設業関係からは人出不足解消に向け、県外企業との資本提携などの相談を受けているとする。上場企業の開示情報を基に、同社がまとめた沖縄企業が関係するM&Aの件数は、2018年が3件、19年が4件、20年は11月15日現在で4件となっている。案件は全て県内企業を県外企業が買収するケースだ。

 荒井社長は「上場企業が関わるものだけだが、件数は増えてきている。沖縄県の経営者の平均年齢は本土より10歳程度若い。これから事業承継の問題は多くなってくる」とみる。

 1997年設立の同社は、99年に譲渡や買収情報をインターネット上に掲載し、相手企業を探索するサービス「SMART」を日本で初めて開始した。2019年には、買収意欲のある企業が同社の情報サイト上で広告を出せるサービスを始めた。民事再生案件などに対する助言も行っている。

 沖縄での事業展開については「後継者不在の解決、事業の強化・拡大、事業の再生など企業の経営目標を達成するために、M&Aが活用できる。沖縄ではまだ売りが多い。しかし、今後は沖縄の企業が、事業拡大のために本州の企業を買い本州で出て行くこともできる。観光業や食に関係するものなど沖縄には独自性がある」と話した。