淡水化装置が国内外から注目 うるま市のワイズグローバルビジョン


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 環境用品の製造販売を手掛けるワイズグローバルビジョン(うるま市、柳瀬善史社長)の小型海水淡水化装置が、国内外で注目を集めている。8月に同社の小型海水淡水化装置「MYZ(ミズ)E―250」を東南アジアに輸出する案件を、国内大手水処理プラントメーカーから総額約1・5億円で受注した。同シリーズの「E―40」は、2020年度グッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)のベスト100に初めて選ばれた。

国内外で注目を集める小型海水淡水化装置を製造販売するワイズグローバルビジョンの柳瀬善史社長(右)と大嶺光雄会長=27日、県庁

 27日、ワイズ社の柳瀬社長と大嶺光雄会長が県庁記者会見室で会見した。

 ワイズ社の海水淡水化装置は、ナノレベルのろ過膜を通して海水から真水を得る。品質の高さと小型で持ち運びが容易なことが特徴となっており、水道施設の整備が進まず、水質環境が悪い発展途上国や島国での普及を進めてきた。

 今回の輸出は21年3月までに「MYZ E―250」を順次出荷し、行政機関での使用を予定している。今回の受注額(1・5億円)は、19年に沖縄から海外に出荷した機械類・輸送用機器の輸出額の2・4%に相当する。

 柳瀬社長は「自社の小型海水淡水化装置がマイクロインフラとして世界に認めてもらった。今回の大型受注は大きな意味がある」と述べた。

 グッドデザイン賞に選ばれた「MYZ E―40」は、国際的なデザイン賞である中国のDIA賞でもベスト100に選ばれた。同製品は来年春の発売を予定し、既に中東から取引の問い合わせが来ているという。

 柳瀬社長は「今後も大手が入れないマーケットを開拓し、全世界へ普及させていきたい」と意気込んだ。