県は27日、戦争体験の継承に取り組む地域やアジアの学生を対象にした、オンライン共同学習を那覇市上間の市人材育成支援センターまーいまーいNahaで開いた。平和構築のためのネットワーク形成と人材育成が目的。沖縄、広島、長崎や韓国、台湾、ベトナムの学生ら29人が参加した。
共同学習は24日から28日の5日間実施した。27日は地域ごとにチームを組んで「なぜ争いは起きるのか」「徴兵制についてどう思うか」などテーマを設定し、議論した。
「なぜ争いが起きるのか」というテーマでは、沖縄チームから「正義の違いから起きるのでは」という意見が出た。各国チームから同意する意見が出た一方、何が正義なのかという問いに「国を愛し、命をささげ守ること」とする回答もあった。その回答に対し、沖縄チームは沖縄戦で県民の4人に1人が犠牲になったことを挙げて、違和感を伝えるなど活発な議論を展開した。
沖縄キリスト教学院大学の津波古明璃さん(22)=宜野湾市=は「他国の人の価値観や信念を聞くことで、さらに他人を理解しようと思った」と話した。共同学習を通して得た知識やつながりを生かし、28日には今後どのように平和を構築するかなど、アクションプランを策定した。