米軍関係72人感染 「詳細情報公表を」 基地周辺住民、不安広がる


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 【中北部】米軍関係者では最多となる72人の新型コロナウイルス感染が確認された30日、基地周辺で暮らす人々に不安が広がった。「怖い」「詳細な情報を発表してほしい」などの声が上がった。

 米軍キャンプ・シュワブに隣接する名護市辺野古で小売店を経営する許田正儀さん(71)は「県民の感染が連日数十人というだけでも怖いのに、米軍までそれだけ感染したとなると怖いね」と不安を募らせる。

 外出制限の影響で米兵客は例年の半分以下に。ここ数日は姿も見ていない。「密」を避けるため、利用客の多い弁当の製造販売は春先から休んでいる。「経営は厳しいが、感染者を出さぬよう気を付けなければならない」と語る。

 金武町屋嘉には米軍人など外国人向けの住宅が立ち並ぶ。同区の久高栄一さん(73)=行政書士=も「やはり怖い。本当は(感染者が)もっといるのではないかと思う」と語った。

 普天間飛行場を抱える宜野湾市で、介護の仕事に従事する40代男性は「感染した米軍関係者が外に出ていたのか、基地内で管理できているのか分からず、情報が限られている」と感染の広がりを不安視した。「米軍に限らず、情報は細かく出してほしい」と要望した。

 沖縄市のゲート通りで買い物をしていた仲宗根元子さん(58)は「大変な数に驚いたが、今はもう感染者に県民、米軍の違いはない」と語る。「感染してしまったのは仕方がない。米軍には他へうつさないようしっかり感染者を隔離してほしい」と述べた。

 米軍も多く利用するという北谷町内の居酒屋を経営する男性は「なぜ急に増えたのか理由が知りたい」と語る。「ここ最近は県民も増えている。米軍、県民にかかわらず感染予防策をきちっとすることが大切だ」と強調した。