コロナ下の沖縄、消費は大幅減 スーパーではキャッシュレス決算が増加


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 りゅうぎん総合研究所(照屋保社長)は30日「コロナ下における県内個人消費動向調査」の結果を発表した。昨年10月の消費税増税以降、個人消費に弱さがみられ、新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言が出された4月以降は、大幅に下落していることが示された。一方、コロナ禍もあって非接触のキャッシュレス決済が増加傾向にあり、スーパーでは売上高の半数近くを、キャッシュレス払いが占めるようになっていることが明らかとなった。

 調査は県の家計調査と同社の月例景況調査、4~8月に実施した企業への聞き取りに基づいてまとめた。

 県内の2人以上世帯の消費支出は、昨年10月まで堅調に推移していたが、消費税増税後の同年11月は前年同月比マイナス11.9%と前年を大きく下回った。

 その後、20年3月にかけてマイナス幅は縮まってきたものの、新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が出た4月は、マイナス23.6%に急減した。

 国から支給された一律10万円の特別定額給付金などによって、6、7月は一部で持ち直しの動きがみられたが、感染拡大を受けて8月は再び減少に転じた。

 品目別の支出額は被服や交通、旅行などが減少した一方、コロナ禍の巣ごもり需要の影響で食料やDIY、園芸用品などは増加傾向となった。

 消費者の決済方法について、県内スーパー5社への聞き取りによると、増税前の割合は現金支払いが約64%、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済は約36%だった。消費増税に伴う需要喚起策として19年10月から始まったキャッシュレス・ポイント還元需要で、キャッシュレス決済の割合は増税前に比べて8ポイント増の約44%に増加した。20年4月の感染症拡大後の割合は約49%にまで上昇している。

 調査を担当した大城美波研究員は「消費マインド低下を払拭(ふっしょく)させる取り組みを講じなければ、消費支出は減少したままの状態になる」と分析。

 県内の個人消費の喚起に向けて「特別定額給付金の再支給や消費税引き下げなど、消費を後押しする経済対策が必要だ」との見解を示した。