沖縄県内自治体の歳出入 8年連続最高 19年度は全市町村が黒字


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 県市町村課は1日までに、2019年度の県内市町村決算(普通会計)の概要を発表した。県内41市町村を合計した歳入総額、歳出総額とも前年度より増加し、8年連続で過去最高となった。歳入総額は国庫支出金と地方税、地方債などの増加で前年度比402億円(5.1%)増の8303億円、歳出総額は投資的経費、義務的経費などの増加で前年度比408億円(5.4%)増の8003億円だった。19年度決算では新型コロナウイルスの影響はほとんど見られなかったが、20年度以降は地方税の減収が見込まれている。

 収支では、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた「実質収支」の合計は220億円の黒字で、全市町村で赤字団体はなかった。比率が低いほど財政の弾力性があることを示す「経常収支比率」の県内平均は前年度より0.8%増の89.6%。地方税などが増えたことで経常一般財源などは増えたが、経常経費充当一般財源で扶助費などが増加したため前年度より上昇した。

 自治体の「借金」に当たる地方債の残高は、前年度比49億円(0.8%)増の5991億4700万円、「貯金」に当たる積立金残高は前年度比18億円(0.9%)減の2011億5500万円だった。

 財政の健全性の目安で、税収などのうち借金返済に充てる割合を示す「実質公債費比率」の平均は、前年度より0.3ポイント減の7.5%。「1」を超えるほど財源に余裕があるとされる「財政力指数」の平均は0.39だった。

 県内市町村で早期健全化に該当する基準の団体はなかった。県市町村課は「全ての市町村で引き続き健全で持続可能な財政運営への不断の取り組みが必要だ。特に公営企業は、公営企業会計の適用や経営戦略の策定など経営基盤の強化が必要だ」と指摘した。