車いすで国際通り「困りごと」体験 観光従事者にバリアフリー講座


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実際に車いすに乗り、段差の越え方を学ぶ様子=11月30日、那覇市松尾

 障がいがある人でも沖縄観光がしやすい環境をつくるため、観光中の障がい者の介助方法などを観光従事者に学んでもらう「体験型観光バリアフリーセミナー」が11月30日、国際通りや平和通りなど那覇市内の観光地で実施された。参加者は車いすに乗ったりアイマスクで目を隠したりして歩き、観光中に感じる困りごとを体感した。

 観光従事者14人が、車いすと視覚障がいの2班に分かれ、那覇空港からモノレールで牧志駅まで移動。障がいがある講師4人の助言を受け、ペアで介助をしながら国際通りなどを2時間近くかけて観光した。バリアフリー対応のトイレや観光案内所の位置も確認した。

 点字ブロックが途絶える道や、車いすが1台しか乗れないエレベーターなど、困りごとにも直面。参加者は「普段は気にならない所だが注意して見るようになった」と話す。参加したJALJTAセールス販売部の新垣育恵さんは「お客さまの対応をするときに生かしたい」と話した。

 講師の県脊髄損傷者協会の仲根建作理事長は「国際通りや平和通りは他府県の観光地と比べてバリアフリー対応が多い」と説明。一方で「店内の陳列によっては車いすが通りにくい店も多い」と課題も話した。

 セミナーは、県の「おきなわ観光バリアフリー推進事業」を受託する、オリエンタルコンサルタンツ沖縄支社が実施した。