サッカーの明治安田J2の第38節は2日、各地で行われ、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでツエーゲン金沢と戦い、0―2で敗れた。12勝19敗7分けで勝ち点43のまま。順位を18位に落とした。ホームでの連勝はかなわず、ホーム無敗記録は5で止まった。次戦は6日、午後1時から同会場でファジアーノ岡山と戦う。(古川峻)
悪夢のような2分間だった。後半7分、相手スローインからヒールパスでつながれペナルティエリアに進入を許し、あっけなく1点を失う。2分後にはパスカットからカウンターで追加点を奪われた。連続失点で勢いを失うという「琉球の負けパターン」に陥った。
選手を積極的に交代させたが、流れを変えられず、何度かあった決定的なチャンスでもゴールを逃した。MF上里一将主将は「やるべきことにずれが生じてしまった。攻撃も守備もつながりが感じなかった」と反省した。
一瞬の隙を突かれたように見えたが、DF沼田圭悟は「防げた失点だった。自分たちのミス」と振り返る。1点目は隙間を突かれ、2失点目は守備同士の声掛けが足りず、マークが中途半端になり、プレッシャーがかかっていなかった。
前半は4―0だった前節のような勢いで、ゴールに迫った。前半だけでシュート数は金沢の3倍以上の7本。流れを失った後半も計11本と金沢よりも多かった。樋口靖洋監督は「チャンスをつくったのは評価している」と攻めの姿勢に目を向ける。ただ負けパターンの克服がなければチームの上昇は遠のくばかりだ。
安岡中出身の高安 攻守に積極プレー
後半から金沢の右サイドバックに高安孝幸(安岡中―大阪・興国高出)が投入された。守備では素早いプレスで貢献し、攻撃では守備の裏に抜けてクロスを上げるなど、積極的にプレーに絡んだ。ただ試合終盤は守備の戻りで周囲より遅れるなど課題も残った。
今季29試合に出場。柳下正明監督は札幌監督時代に指導していた上里一将の名前を挙げ「彼が高卒で札幌に来た時のように期待して見ている。落ち着きは持っているので積み重ねていけばいい」と話した。
(2)タピスタ(金沢2勝)
金沢 12勝10分け16敗(46)
2―0(0―0,2―0)
琉球 12勝7分け19敗(43)
▽得点者 【金】 藤村(1)島津(8)
▽観客 689人
◆後半、勢い失う
【評】前半は琉球ペースだった。金沢の素早いハイプレスでボールを奪われショートカウンターを受けても、素早く戻って集中した守備で対応した。攻撃ではパスを回して何度も相手守備を崩した。後半に連続失点すると勢いを失った。
◆前半チャンスつくれた
樋口靖洋監督(琉球)の話 勝たなきゃいけなかったと強く思った試合だった。ターンオーバーをして多くのフレッシュな選手を使い、前半ボールを回しチャンスをつくれた。前半の状態が続けば後半にゴールを取れるという(楽観的な)雰囲気をつくってしまった。
◆ボール動かし好機
柳下正明監督(金沢)の話 全員でないが、前からボールを奪うという狙っていたプレーを怖がらずにやり続けてくれた。隙間があるので、ボールを動かせばチャンスはつくれると思っていた。落ち着いてコースを選べた。お互いの良さを出した試合だった。