親族を巻き込み不正受給…総額300万円超か 持続化給付金巡る詐欺容疑で逮捕の女


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 新型コロナウイルスの感染拡大で、減収した個人事業者を支援する持続化給付金を巡る不正受給事件で、詐欺容疑で逮捕されたモデル(36)が、親族複数人を巻き込んで不正受給し、総額は少なくとも300万円に上ることが3日、分かった。特捜本部は3日までに同容疑者の関係先など複数カ所を家宅捜索し、金の流れなどを詳しく調べている。

 容疑者の弁護人などによると、同容疑者は不正受給を認めているという。親族それぞれの通帳や身分証の保管場所が親族間で共有されており、容疑者が手続きのためにそれらを持ち出したとみられる。これまでに親族数人の口座に給付金が振り込まれた。同容疑者は11月19日までに給付金100万円を全額返還し、他の親族も現在、返還手続き中だという。

 県警関係者によると、沖縄タイムス社元社員の男らに不正受給を指南したとして詐欺容疑で逮捕された夫婦と容疑者には接点があったという。特捜本部は容疑者と夫婦の関係性や、同容疑者が出入りしていた那覇市の税理士事務所関係者との関連性なども捜査している。

 容疑者の親族女性が契約社員として勤める琉球新報開発は、全従業員を対象に改めて不正受給の関与の有無を調査する。この契約社員の女性は2日、新報開発の聞き取り調査に「(持続化給付金が)気付いたら振り込まれていた」と答えたという。

 関係会社の琉球新報社も全従業員に同様の調査を実施する。