普天間への発着2年で10倍 外来固定翼機、19年度2678回


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外来機が離着陸を繰り返す米軍普天間飛行場=2020年7月、宜野湾市

 【東京】防衛省は3日の参院外交防衛委員会で、米軍普天間飛行場における、外来機の固定翼機の離着陸回数は2019年度は2678回となり、17年度の236回から10倍に急増していることを明らかにした。騒音が比較的大きな固定翼機の飛来が増え、基地の負担が増している実態が浮き彫りになった。質問した伊波洋一氏(沖縄の風)は、滑走路の両端の土地を利用させない米国の安全基準「クリアゾーン」が守られていないとし、「固定翼の外来機の飛来を禁止すべきだ」と訴えた。

 防衛省は本紙の取材に対し、回数が増加している理由として、調査初年度の17年度は滑走路の補修工事が行われた影響で飛来が抑制された可能性があるとの見方を示した。ただ、18年度は1520回で、19年度は前年と比べても千回以上増えた。防衛省は「米軍の運用に関することだ」と述べ、増加要因などについて回答を控えた。

 防衛省は普天間飛行場の負担軽減策として、空中給油機の岩国基地(山口県)への移駐やオスプレイ訓練の県外移転のほか、緊急時の航空機受け入れ機能を築城(福岡県)、新田原(宮崎県)の両自衛隊基地へ移転してきた。だが、沖縄防衛局による目視調査によると、離着陸回数は19年度が1万6848回と、17年度の1万3581回から増加傾向にある。

 防衛省は訓練移転などによる騒音軽減策の効果は、情勢や天候などにより「実感いただけない場合もある」とした上で、機体が一時的に県外に行くことに伴う訓練時間の減少で「運用全体が削減される効果がある」と述べ、負担軽減に効果があるとの見方を示した。