地域で燃料備蓄「コンボルトタンク」に注目 離島防災で需要拡大 うるまの企業製造


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座間味村に設置されている小型のコンボルト型タンク(左側)(コンボルト・ジャパン社提供)

 燃料タンク製造・販売のコンボルト・ジャパン(うるま市、島袋修社長)が製造する「コンボルト型タンク」の小型用タンクが、災害用備蓄タンクとして注目を集めている。屋外型タンクとしては唯一、国から自家車両給油用としての設置が認められている。資源エネルギー庁の助成金を活用したSS過疎地対策検討事業として、昨年2月には座間味村にガソリン備蓄用の8キロリットルの地上タンクを設置した。地域住民などが必要とする燃料の備蓄施設として、県内離島で設置を広げたい考えだ。

 コンボルト型タンクは、鋼材を高密度ポリエチレンシートや鉄筋コンクリートなどで覆った4重構造のタンクで、災害時に強い特徴を持つ。2015年に自家用給油所として使用できる許可を得た。地下埋設型タンクと比べて燃料が漏れ出す危険性が少ないことなどから、地上型としては特例で防油堤の設置も免除されている。

 新型コロナウイルス感染症の拡大前まで、座間味村では県内外からの観光客が年々増加し、夏場のマリンレジャー需要も増えていた。一方、フェリーは天候面で運休が生じることや、燃料積載制限がドラム缶4本分に限られていて一度に大量には運べないことから、燃料の供給は不安定な状況が続いていた。コンボルトタンクの設置によって、安定供給につながっているという。

 県内外の離島などへ、累計で約800基を設置している。20年度も11月末までに47基の受注があるなど、需要は根強い。離島への設置が進んでいるのは主に4~8キロリットルのタンクで、緊急発電やボイラー、船舶給油用の重油・軽油の備蓄に利用されている。今後は、過疎地などへの給油施設設置を目指している。大城明弘営業部長は「離島の規模に応じ、さまざまなサイズの生産が可能だ。設置ニーズに応じて製造していきたい」と語った。小型タンクへの問い合わせは同社(電話)098(929)0821。