JAL機のエンジントラブル 沖縄経済界の見方は…観光への影響「限定的」


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エンジンのトラブルで緊急着陸し、滑走路から駐機場に牽引されるJAL904便=4日午後1時17分ごろ、那覇空港

 那覇空港を離陸した日本航空(JAL)の旅客機が4日、エンジントラブルによって機体が破損して、那覇空港に引き返し緊急着陸した。県外と行き来するため、離島県には不可欠な空の足のトラブルだが、経済関係者は観光への影響は限定的と見ている。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は、詳細な原因が分からないとした上で「コロナ禍の感染防止も含めて、安心と安全を最優先する旅行者が多くなっている。原因をしっかり確認して対策を講じてほしい」と話した。

 4日は赤羽一嘉国土交通相が、国内旅行需要喚起策の「GoToトラベル」を来年6月末まで延長する方針を発表した。下地会長は「キャンペーン終了後の反動を懸念していたが、沖縄観光の一番強い時期の7、8月なら反動を吸収できる。旅行需要を維持していくためにも、官民で安全、安心な沖縄をつくっていきたい」と事業の延長を歓迎した。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は、航空機トラブルの影響について「けが人がなくて良かった。観光への影響は全くないとは言えないが、大きくは出ないのではないか」と話した。

 那覇空港では、過去にも旅客機や自衛隊機によるトラブルが発生し、他の発着便の運航に影響を及ぼしてきた。今年3月に第2滑走路が利用開始になるまでは、トラブルに伴う滑走路閉鎖で嘉手納基地などへの着陸変更や大幅な遅延、欠航がしばしば生じていた。

 4日のトラブルでは、第2滑走路が37分間閉鎖されて出発便2便、到着便3便の計5便に最大12分の遅延が生じたが、欠航はなかった。沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は「トラブルが発生して滑走路がクローズされた時に、もう一本で対応できるという第2滑走路の必要性が改めて認識されたと思う」と話した。