女性議員増へ「法整備必要」 那覇 白馬村議田中さん強調


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女性が選挙を乗り切るための方策などについて話す那覇市出身で長野県白馬村議の田中麻乃さん(奥の白い服)=11月28日、那覇市のブックカフェ&ホール「ゆかるひ」(喜瀨守昭撮影)

 女性議員を増やし、女性の政治参画を進めようと活動する、パリテカフェinおきなわ実行委員会(糸数慶子委員長)は11月28日、那覇市のブックカフェ&ホール「ゆかるひ」で勉強会を開いた。長野県白馬村議で、「パリテカフェ@信州」実行委員の田中麻乃議員=那覇市出身=を招き、県内から女性議員らが参加した。

 田中さんは「女性議員を増やすことは、議会に多様性を増やす第一歩」と述べ、女性の政治進出には法の整備が必要だと強調した。

 世界の国会議員が参加する「列国議会同盟」(IPU、本部ジュネーブ)のまとめによると、10月1日時点で、日本の衆院議員に占める女性の割合は9・9%で、世界平均25・2%を大幅に下回って190カ国中167位だった。上位にはスウェーデンやフランスなどが並ぶ。

 田中さんは、諸外国では女性議員の候補者数や議席数をあらかじめ法で制定する「クオータ制」を導入し、女性議員が増えたと解説。国内では18年に、候補者の男女均等を目指す「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が施行されたが、女性の政治進出は進んでいない。

 田中さんは、男女の性的役割に基づく潜在意識が女性の進出を阻む要因の一つだと指摘。自身も、年配の男性議員から「早く帰って飯を作れ」と言われると話した。一方、女性の側も「母はこうあるべきだ」といった固定観念から、家事や育児でできないことがあると自分を責めてしまう傾向があると指摘し、「自分が自分らしく、仕事も家庭も選べる社会的な流れを創っていかないといけない」と語った。

 参加者らは女性の政治進出を巡り、「小さな社会活動を通して、女性のやる気や意欲を高めるエンパワーメントが大事だ」「選挙カーやポスターで自身を公にさらすのは抵抗がある」などの意見を交わした。