【記者解説】北中城村長に比嘉氏 現職後継を破り当選した要因は?


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比嘉 孝則氏

 北中城村長選で元村企画振興課長の比嘉孝則氏(66)が当選した。現職の新垣邦男村長が計画を進めている多目的アリーナ建設の見直しや行財政の再建を訴えたことが、村民の支持を得た形だ。 (新垣若菜)

 2度目の立候補で、2016年の前回選挙では新垣村長と比嘉氏で支持が分かれた村議会議員も、今回は議員在職中に立候補した天久朝誠氏を除く13人中10人が比嘉氏の支持に回った。前回同様、村職労の推薦も受けた。比嘉氏は「現村政運営に対し、疑問を多く持っているということだ」と自身が掲げた公約に自信を深める。

 北中城村は、固定の支出経費を示す「経常収支比率」が2018年度は91・1%で、自由な財政運営の弾力性を欠いている状況にある。隣接する中城村の84・9%、北谷町の77・9%、西原町の87・9%と比較しても高い数値だ。村企画振興課の課長として村の財政運営や予算編成などに携わってきた比嘉氏の手腕が問われる。

 膠着(こうちゃく)している多目的アリーナの用地買収など、村政の課題は山積している。選挙期間中に繰り返し訴えた「身の丈に合う、地に足の着いた行政」をどう実現するか。財源不足を補う取り組みや課題を解決する村政運営が求められる。