
サッカー明治安田J2の第39節は6日、各地で行われ、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでファジアーノ岡山と対戦し、1―1で引き分けた。12勝19敗8分けで勝ち点44。順位は18位のまま。
次節は13日午後4時から、同会場で愛媛FCと戦う。(古川峻)
PKで0―1にされた7分後の後半34分。樋口監督から「ストライカーの仕事をしてこい」との言葉を受け、FW人見拓哉が投入された。その2分後、DF沼田圭悟が左サイドの守備裏を抜けてグラウンダーのクロスを出すと、詰めていた人見が同点弾を放つ。「決めきるだけのボールを出してくれた」とJ初ゴールを喜んだ。
前半はこぼれ球を拾い、ボールを支配して何度も決定機をつかんだ。しかし後半、強風で浮き球の落下地点を見誤ったか、DF沼田のトラップがハンドとなり、不運な形で先制点を許していた。運動量が落ちる中で、途中交代の人見が躍動した。
立正大時代は関東大学リーグ1部で16得点し、3度のハットトリックを達成。5月にけがで離脱したが、10月14日の群馬戦でJ初出場を果たすと、6試合目で初ゴールをつかんだ。
それでも樋口監督は「自分でボールを引き出す動きをして、その後も狙いにいかないといけない」と追加点への貪欲さを求める。期待ゆえの厳しい言葉だろう。人見も「2点目を取りにいかなければならなかった。まだまだだ」と反省した。決定機はつくることができているだけに、得点源としての活躍が期待される。
(2)タピスタ(琉球1勝1分け)
琉球 12勝8分け19敗(44)
1―1(0―0,1―1)
岡山 11勝14分け14敗(47)
▽得点者 【琉】 人見(1)【岡】 上田(PK)(4)
▽観客 1609人
【評】激しい当たりが随所に見られ、気迫がぶつかり合った試合だった。前半はボールを支配した琉球が見せ場をつくった。後半27分にPKから先制点を許したが、同36分にFW人見拓哉が同点弾を決めた。終盤は互いにゴールに迫ったが、得点できなかった。
◆勝たないといけない
樋口靖洋監督(琉球)の話 勝たないといけない試合だったが同点に終わって悔しい。ボールを握って崩すという、やりたいことはかなりの時間でできた。背後を突く回数が増えればさらによかった。最後まで追いつくぞという姿勢は見せてくれた。
◆逃げ切りたかった
有馬賢二監督(岡山)の話 風が強く後半に全く違った流れになるだろうと思い、前半は風下を取った。90分戦う体力のことを考えて、コイントスの時に指示した。狙い通り後半に押し込んだ中で、PKを取った。危険なところを粘り強く守備して逃げ切りたかった。