新型コロナウイルス感染症が流行する中、琉球新報は県内全41市町村を対象に来年の成人式の開催予定についてアンケートを実施した。宮古島市と粟国村が中止、石垣市が延期、37市町村が規模縮小など例年とは異なる形式で開催を検討していることが分かった。この37市町村のうち7市町村は、同じ会場で2回に分けて開催する。伊平屋村は新成人が22人と少ないことなどから例年通り実施の予定だ。
宮古島市は多くの新成人が島外で生活していることなどを踏まえ「帰島することで島内および成人間での感染リスクが高くなる可能性がある」として中止を決めた。その上で、新成人を対象に1万円の「成人祝金」の給付を決めた。粟国村は新成人全4人に聞き取りしたところ、新型コロナなどの影響で「参加できない」との回答だったため、中止を判断した。新成人には記念品を贈るという。
石垣市は1月4日から3月21日に延期した。理由については「年末年始の島のPCR検査態勢も十分ではなく、高齢者が多い島の医療体制が危惧される」としている。
宮古島市と石垣市は人口や観光客が多い一方、新型コロナの病床が限られている。感染が広がれば一気に医療体制の逼迫(ひっぱく)が懸念されることから、中止や延期の判断に至った。
開催する自治体は感染拡大防止策を進めており、マスク着用や出席簿の作成、会食をしないなどの対策を講じる。
例年とは異なる形式で開催するとした37市町村のほとんどが時間短縮や来賓者数の削減、式典の簡略化などを挙げている。このうち浦添、糸満、南城の3市、北谷、西原、南風原の3町、読谷村がコロナ対策による会場の入場制限などのため、例年とは異なり、中学校区ごとに2回に分けての開催を予定している。
会場を変更する自治体もあり、沖縄市は市民会館から沖縄市体育館に、うるま市は石川体育館から石川多目的ドーム(闘牛場)に変え、換気を重視した。
各自治体とも県の警戒レベルが第4段階に引き上げられた場合などには中止する場合もあるとしている。
アンケートは11月30日から実施。7日までに全市町村から文書や聞き取りで回答を得た。