「日米同盟 一層の強化を」 アーミテージ元米国務副長官ら 中国脅威念頭に提言


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 【与那嶺路代本紙嘱託記者】アーミテージ元米国務副長官らは7日、日米同盟の課題と提言をまとめた報告書を発表した。中国を最大の安全保障上の課題だとし、「共通の枠組みを発展させて取り組むことが、今後の同盟の最大使命となる」とし、日米の一層の連携強化を訴えた。在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)を巡る日米交渉についても「議論をリセットし、早期に妥結すべきだ」と求めた。

 発表されたのは、アーミテージ氏やジョセフ・ナイ元国防次官補ら知日派が執筆する「アーミテージ・ナイ・レポート」の最新版。日本で菅義偉首相が誕生し、米国でバイデン氏が大統領に就任することを受け、両国が取り組むべき課題を提言した。

 報告書は「敵基地攻撃能力」の保有について「役割や任務、能力について同盟の枠組みの中で大きな議論とすべきだ」とし、緊密な協議の必要性を強調した。

 米英など英語圏5カ国でつくる機密情報の共有枠組み「ファイブ・アイズ」に、日本を加えた「シックス・アイズ」の実現にも努力するよう提言した。

 来年3月に期限が切れる在日米軍駐留経費の特別協定については早期妥結を求め、「同盟関係は重荷ではない。共有の戦略的ビジョンの実現に向けて努力すべきだ」とした。

 中国の台湾への軍事的・政治的圧力を懸念し、日米が台湾に政治的・経済的関与を示すべきだと促した。

 悪化状態が続く日韓関係には、「過去ではなく未来を見据えるべきだ」と早期改善を促した。トランプ政権が離脱した環太平洋連携協定(TPP)について、米国は復帰すべきだと主張した。