女子サッカー全日本U15 沖縄県勢のナビィータ、アレが頂点へ挑む


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(上)2年連続3度目の全国に挑むヴィクサーレ沖縄FCナビィータユース=6日、県総合運動公園蹴球場。(下)全国制覇を目指すcasa okinawa ale=5日、恩納村赤間総合運動公園

 女子サッカーのJFA第25回全日本U15選手権が12日、全国各地で開幕し、県勢からヴィクサーレ沖縄FCナビィータユースが2年連続3度目、casa okinawa ale(カーサ・オキナワ・アレ)が初挑戦する。九州予選を突破し県勢2チームの出場は初。ナビィータユースはジェフユナイテッド市原・千葉レディースU15(関東4位・千葉)と、アレがJFAアカデミー福島(東海1位・静岡)とそれぞれ1回戦を戦う。決勝は28日、東京都の味の素フィールド西が丘で行う。 (古川峻)

◆難敵撃破し初戦突破へ/アレ

 サッカーの県リーグとフットサルの県大会、九州大会で優勝するなど快進撃を続けてきたアレが、最大の目標に掲げてきた全日本U15選手権に初挑戦する。

 ヤマ場は初戦のJFAアカデミー福島戦だ。過去4年間で優勝2回、準優勝と3位に輝いている優勝候補の筆頭株で、きれいにパスをつなぎ「お手本のような」サッカーをする。

 同様にパスサッカーが得意なアレだが、真骨頂は相手や状況に合わせる対応力だ。練習から「考えるプレー」を徹底し、初戦はセットプレーやロングパスなどでチャンスメークを狙う。

 鍵を握るのはフットサル九州優勝の原動力になったボランチ上原瑠夏と170センチのワントップ白相美音。九州では上原のキックインから白相がヘディングで決めるなど、セットプレーから決定機をつくった。

 守備はセンターバック金城未亜が要になる。サイドハーフなどさまざまなポジションをこなしてきた金城は「相手のストロングポイントを抑えて、自分のプレーでチームを勝たせたい」と闘志を燃やす。

 小学時代に全国優勝や準優勝のメンバーがそろうアレ。塩川心春主将は「格上はいない。絶対に全国制覇します」と決意を示した。

◆チーム一丸で挑戦/ナビィータ

 九州予選で神村学園に準々決勝で敗れたものの、敗者復活戦で2勝して全国出場を決めたナビィータユース。準々決勝以外全て5―0で勝ち抜き予選を制覇した神村学園に対し、五分に渡り合ったのはナビィータユースだけだった。遠山夏海主将は「九州を通じて一致団結できた。勝てない相手はいない」と大きな自信を得て全国に挑む。

 守備からサイドに展開してクロスを上げて得点へとつなげる攻撃が持ち味。セットプレーも強みで、九州は4得点中2得点がセットプレーから生まれた。その鍵を握るのがDFからコンバートした左サイドハーフ遠山だ。「攻撃のきっかけをつくりたい」と、精度の高い左足でチャンスメークを目指す。

 初戦は強豪ひしめく関東地区の名門・ジェフ市原レディースU15戦だ。市原の猛攻が予想される。左右のセンターバック新城琴美と我那覇凛は互いに声を掛け合い「絶対裏を取らせない」と連係して相手に圧力をかけ、トップチームの正GKを務める宜野座令愛が最後の壁としてゴールを死守する。

 遠山は「ベンチメンバーも思いを背負い、精いっぱいやらないといけない。一戦一戦全力を出す」と覚悟を口にした。