年末年始のコロナ対策「一番の勝負どころ」 高山医師、那覇ロータリークラブで講演


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新型コロナウイルス対策について講演する県立中部病院の高山義浩医師=8日、那覇市のパシフィックホテル沖縄

 那覇ロータリークラブ(當間卓会長)の12月例会が8日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で開かれ、県立中部病院感染症内科の高山義浩医師が新型コロナウイルスの対策について講演した。県内の感染者数が高止まりしたまま迎える忘年会シーズンと、帰省者が増える年末年始の感染防止対策の徹底を強く促した。

 高山氏は「冬休み、お正月明けに感染者が増えることは避けられず、一番の勝負どころになる。病床をできるだけ空けた状況で迎えねばならないが、怖いのは平時から沖縄の病床利用率が全国一の84%に達していたことだ。沖縄はもともと医療崩壊しかけていた」と述べ、入院を要する感染者数が空き病床を上回れば医療崩壊に結び付きかねないと警鐘を鳴らした。

 酸素投与などの積極的な治療が必要な中等症以上の感染者数に関し、8月と12月がほぼ並んでいることを挙げ「8月のようにドーンと増えれば注意喚起しやすいが、今はじわりじわりと増えており、県民にメッセージを出すタイミングが見えづらい。実際は8月の流行期と完全にかぶっている」と指摘した。「県民がどう過ごすかが重要だ。このまま年末年始を迎えることが一番危ない」と語り、地域や職場で感染者が出た場合、速やかに専門医らの助言を受けることを求めた。

 講演後、高山氏は「家族単位で飲食店を応援する少人数の会食は許容できるが、大人数での忘年会などは取りやめてほしい」と述べた。