真面目に生きてきた 大城さん、カジマヤー迎えしみじみ “一家”5世代100人超


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親族に囲まれ数え年97歳のカジマヤーを祝った大城靜子さん(前列中央)=6日、南風原町津嘉山

 【南風原】数え年97歳を迎えた大城靜子さんのカジマヤー祝いが6日、南風原町津嘉山の大城さん宅で開かれた。赤い着物をまとい、右手に風車を持った大城さんは親族に囲まれ、「いつも真面目に生きてきた。みんなに褒められてうれしい」と笑みを浮かべた。

 靜子さんは1924年12月5日生まれ。生まれも育ちも津嘉山だ。20歳の頃、沖縄戦で保護された玉城村船越の収容所で、くわを使いイモ掘りをしている時に地中の砲弾が破裂し、全身に破片を浴び、左目を失明した。

 戦後も貧しい環境の中、夫とともに、主に農業で7人の子どもを育てた。夫は30年ほど前に亡くなった。今は子ども5人、孫26人、ひ孫46人、やしゃご1人に囲まれる。婿や嫁を加えると“大城一家”は100人を超えるという。

 この日、息子や孫がオードブルや刺身、誕生日ケーキなどのごちそうを用意し、仏壇の前で祝った。本来はもっと盛大にと計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、極力3密を回避した自宅での開催となった。

 長女の當間弘子さん(64)や三男の大城潔さん(70)によると、靜子さんは89歳まで自らバスに乗りサウナに通っていた。数年前からはリウマチを発症し思うように外出することが難しくなったが「まだまだ健康体」という。2人は母について「正義感が強い真面目なタイプ。何事にも意欲的で前向きな人」と誇らしげに語る。

 靜子さんが「子や孫がいっぱいできて、みんなに感謝している。ありがたい」と大きな声で語ると、周囲は温かい笑い声に包まれた。