辺野古・大浦湾に巨大船が入る 埋め立て加速狙い


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大浦湾に入った大型船

 米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設が進められている名護市辺野古の大浦湾に午前8時半ごろ、洋上で埋め立て用土砂を蓄積するための大型船「デッキバージ」が入域した。タグボートに率いられ、湾奥の同市瀬嵩方面に向かっている。

 大型船の設置で途切れることなく土砂投入を続けることが可能になる。辺野古側の埋め立てを加速させる狙いがある。

 土砂蓄積用の大型船は長さ141メートル、幅36メートル。防衛局は「デッキバージ」と呼んでおり、土砂を9千立方メートルまで載せることができる。これまでは名護市安和や本部町塩川と、辺野古・大浦湾を土砂運搬船が往復してきた。大型船の設置で運搬船数隻分の土砂を大浦湾に置くことができ、土砂運搬船が来られない日も作業を継続できる。
 大型船を常時係留するためにアンカーを下ろす計画だ。過去には汚濁防止膜のアンカーが強風で動いて、海底やサンゴを傷つけたことがあった。防衛局は11月17日の環境監視等委員会で陸揚げ方法の変更方針を示していた。大型船の設置や護岸の改造で、大気汚染物質の排出は現状より増える見通し。

 11月30日には護岸の先に台船を設置して、運搬船2隻を接岸できるようにした。準備が整い次第、別の護岸にも同様の台船を付ける予定だ。

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