宜野湾市に住む大学生の林みなみさん(20)が、アルバイト先のカフェでプラスチック製ストローの使用に疑問を持ったことをきっかけに、プラストローの必要性に関するネットアンケートをした。約千人が回答を寄せ、71%が店で冷たい飲み物を飲むためのストローは「なくてもいい」と答えた。林さんは11月27日、プラストローの廃止や、代替品の導入を後押しする補助金や条例の制定を求める陳情を県議会に出した。 (島袋良太)
宜野湾市出身の林さんは、早稲田大2年で国際関係や環境問題を学ぶ。新型コロナウイルスの影響でリモート授業が続いているため、春から故郷に戻り市内のカフェでアルバイトをしている。その中でプラストローが大量消費される様子を見て、店長に紙ストローなどへの交換を申し出たが、コスト面が壁だということが分かった。
それでも「(プラストロー廃止に向けた)課題が分かって良かった。あきらめて捨て続けるのは嫌だ」と思い、インターネットのアンケートフォームを使って“調査”を実施した。1週間で1082人(県内回答者は34%)が回答した。
回答者の71%がストローは不要だと答える一方、「ないと嫌だ」と答えた人は24・7%いた。理由は「かき混ぜたい」「口紅が落ちる」「氷が邪魔で飲みにくい」などが多かった。環境に良いストローを使う店には73%が「好感が持てる」と答えた。
林さんは「自宅でアイスコーヒーを飲む時などは、多くの人がストローを使っていない。なくても生活できるが、習慣で使っている部分もあるように感じる。スプーンやマドラーでも混ぜることはできる」と話す。「まずは使わずに廃棄物を減らし、代替できるものは代替すれば、プラスチックごみはなくせる」と強調する。
林さんは紙製や草製ストローの価格も調査したが、プラストローよりも8倍以上高かった。そのため、代替品への転換に必要な費用を補助金で負担する仕組みを、県議会に陳情した。林さんは「変化をもたらすための移行期間を行政が後押ししてほしい。美しい自然がある沖縄だからこそ、沖縄らしいSDGsとして全国に先駆けて取り組んでほしい」と話している。