【記者解説】過疎新法、悲観的な見通し一転 沖縄の16市町村が指定継続の理由とは


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 自民党の過疎対策特別委員会が11日に了承した過疎新法の大綱案は、当初案に比べて過疎の要件が大幅に緩和された。新型コロナウイルス感染症が地方財政に及ぼす影響が見通せず「あえて今、厳しい理屈を適用する必要があるのか」(自民党関係者)という懸念が台頭。素案段階では、現在過疎地域に指定されている県内18市町村のうち半数以上が対象外になるとみられただけに、県内自治体にも一定の配慮が及んだ。(知念征尚)

 全国制度の過疎法では米統治の影響で過疎地域の指定が遅れたといった沖縄の事情に配慮するのは難しいとの見方があった。

 一方、島しょ地域はたとえ人口が少なくても一定のインフラを維持する必要がある。

 沖縄政策に詳しい閣僚経験者が委員会幹部らに島しょ地域への配慮を働き掛ける場面もあったという。

 大綱案では自治体の財政力が低ければ、もう一つの要件である人口減少率のハードルを下げるという新たな考え方を導入した。人口減少率が全国と比べて相対的に低い県内自治体の指定維持につながった。