辺野古抗告訴訟、沖縄県が控訴 玉城知事「地方自治の尊厳確立する」


社会
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埋め立てや護岸工事が進められる新基地建設現場=9月3日午後、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の決定(裁決)は違法として起こした訴訟で、沖縄県は11日、訴えを却下した那覇地裁判決を不服として福岡高裁那覇支部に控訴した。玉城デニー知事は「地方自治の尊厳を確立するという理念を掲げ、ぶれることなく県民の強い思いに全身全霊で応えていく」と声明を出した。

 11月の地裁判決について「地方自治の尊厳はなきに等しいと司法が示しているものだ」と批判。「地方自治体の自治権を侵害する国の行為を黙認し、司法による救済の道を否定する今回の地裁判断は到底受け入れることができない」と述べた。

 今回は2回の口頭弁論が開かれたのみで、埋め立て承認撤回やその取り消し裁決の中身については議論が及ばなかった。「国側は裁決の正当性を一切示さず、裁判所も何らの検証を加えていない。県が示した辺野古埋め立て工事の問題点は何一つクリアにならないまま、工事が強行されることになる」と指摘した。

 控訴で「改めて実体審理を求め、今回の地裁判決が全ての地方自治体の脅威となることを強く訴えていく」と決意を表明。「国と地方の在り方を正常化するためにも地方自治の担い手として私たちは声を上げ続けなければならない」と強調した。