歯磨き時に複数人が洗面所利用でクラスター発生か 病床占有率は80%に 沖縄で新たに51人感染【12月13日朝】


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 県は12日、新たに新型コロナウイルスに51人が感染したと発表した。県が警戒レベルを判断する七つの指標のうち、病床占有率が80・4%となり、8月24日以来約3カ月半ぶりに80%を超えた。那覇市内のコールセンターで計15人が感染し、37例目のクラスター(感染者集団)に認定した。洗面所で同じ時間に複数人が歯磨きし、感染が広がった可能性がある。那覇市の学習塾で複数人の感染が確認されており、県はクラスターに当たるかどうか調査している。

 12日時点で新型コロナの入院者数は217人となった。入院者数が200人を超えると医療フェーズを5に上げ、さらなる病床確保が求められるが、県の糸数公保健衛生統括監は「本島は病床を空けることができない。フェーズ4でも病床を空けるのに苦労している」と一般病床が逼迫(ひっぱく)している状況を強調した。同日時点の一般病床(非コロナ病床)の利用率は県全体で91・7%だった。新規感染者51人の中には、那覇市の10代男女5人が含まれており、県は同じ学習塾に通っていたかも含め感染経路を調べている。

 クラスターが発生した那覇市内のコールセンターは、3日から感染者が出始め20~40代の男性12人、女性3人の計15人の感染が判明した。那覇市保健所は、人が集中しないよう他のフロアでの歯磨きや職場の換気などを指導した。現在、コールセンターは閉鎖している。

 新規感染者51人のうち、接触による感染が推定されたのは29人で、内訳は職場9人、家族7人、会食5人、学習塾5人、友人2人、その他調査中は1人だった。残り22人は経路が分からない「調査中」だった。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は16・54人で全国7位。県は8日に新規感染者として公表した30代女性について、偽陽性と判断したため感染者数から取り下げた。

 米軍関係では嘉手納基地で1人、キャンプ・フォスターで2人の感染が確認された。11日に発表した退役軍人の居住地が基地外だったため、累計は637人となった。