「記録保持者の威厳見せないと」 全日本重量挙げ2連覇の知念 パリ五輪を見据え


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 重量挙げの第80回全日本選手権・第34回女子選手権第2日は12日、新潟県のニュー・グリーンピア津南体育館で行われ、女子81キロ級の知念ひめの(糸満中―大産大付高―平成国際大出、自衛隊体育学校)がスナッチ93キロ、ジャーク123キロのトータル216キロで2連覇した。ジャークの大会記録を3キロ更新した。男子89キロ級の平仲浩也(南部工高―法政大出、警視庁)がスナッチ150キロ、ジャーク184キロのトータル334キロで2位だった。大会記録をジャークで9キロ、トータルで6キロ上回った。男子96キロ級の請舛泰俊(沖縄工高出、自衛隊体育学校)はスナッチ143キロ、ジャーク170キロのトータル313キロで2位。女子71キロ級は福里悠(宮古高―東京国際大出、かりゆしホテルズ)がスナッチ91キロ、ジャーク115キロのトータル206キロで3位だった。


重圧はねのけ パリ見据え

女子81キロ級 ジャーク1本目の123キロを成功させ、優勝を決める知念ひめの=12日、新潟県のニュー・グリーンピア津南体育館(古川峻撮影)

 ジャークには他の選手が試技を終えてからの登場となった。女子81キロ級の知念ひめのはジャーク1本目を120キロからスタートする予定だったが、他の記録を見て、成功すれば優勝が確定する123キロからの開始を監督に申し出た。「昨年優勝とジャーク日本記録保持者の威厳を見せないといけないと思った」

 気合の声を上げながらゆっくりとプラットフォームに上がった。見事にジャークを決めると両手でガッツポーズ。若手の台頭に「危機感や不安もあった」というが、重圧をはねのけて「ジャークで自分らしさを出せた」と笑顔を見せた。

 記録はスナッチ、ジャークともに自己ベストに及ばず納得していない。4月から自衛隊体育学校に入った。6時前の起床など生活環境が変わり、順応に苦労した。腰を痛めたこともあり「練習不足です。対応力をつけたい」ときっぱり。

 123キロへの重量変更は「仕事として競技をやっている。周りの励ましだけでなく、自分で自分を上げていかないといけない」とのプライドからだった。5月の全日本へ「パリ五輪を見据えてスナッチ100キロ、130キロは最低でも超えないといけない」と覚悟を示した。

(古川峻)