【読谷】地域密着型のスーパーとして読谷村高志保で67年にわたり地域住民の生活を支えてきた「スーパーまつだ」(松田健勝社長)が11月30日、閉店した。地域の変遷を見続けてきた老舗に感謝を告げようと、最終日の30日夜、店舗前には60人以上が集まった。
スーパーまつだは松田さんの父・正久さんとその兄弟らが「まつだ商店」として1953年に立ち上げた。食料品や生活用品を豊富に取りそろえ、大型スーパーがない時代から住民の生活を支え、また憩いの場としても愛されていた。
42年にわたり同店で働いた松田社長は「本当にたくさんの出会いがあった」と振り返る。目にうっすらと涙を浮かべながら「このご縁を大事にし、今後は第二の人生を楽しみたい。ここにスーパーまつだがあったことを忘れないで」と声を振り絞った。
40年以上前に勤務していたという古谷久江さん(72)=北中城村=は「(戦後の)読谷の復興のシンボルだった。結婚し引っ越した後も度々お世話になっていた。本当に寂しい」と述べ、「これからもここを通るたびに思い出すだろう」と別れを惜しんだ。