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京都府警は2日、他人になりすまして人気ゲーム向け通貨を不正購入したとして、大学生の男を逮捕しました。
不正購入の実行役はSNSの「闇バイト」【※1】に応募してきた男子中学生でした。
このようにSNSで高額な報酬をエサに犯罪仲間を募集する闇バイトによる事件が多発し、警察もSNSで注意を呼び掛けています。
※1 闇バイト … SNSで(言葉の検索をしやすくする)ハッシュタグを使い、「#闇バイト」「#裏バイト」などの言葉で犯罪仲間を募集する手法です。闇バイトに参加すると、振り込め詐欺、架空請求や強盗に参加するよう指示され、犯罪行為に加担することになります。募集の際は、第三者から特定されにくいよう、合言葉のような「隠語」を使うこともあれば、みんながチェックする「トレンドワード」と合わせて多くの人の目に留まるようにすることもあります。
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闇バイトは言葉に「バイト」と入っており、手軽そうなイメージが湧くかもしれませんが、要は「組織犯罪」です。
募集している実行犯は捕まらない場所から指示するだけですが、SNSで募集された闇バイト生は「ATMでお金をおろす」「被害者の家に荷物を取りに行く」など直接行動するため、逮捕のリスクがグッと高まります。
さらに途中でやめたくなっても、先に提出した個人情報などを基に脅迫され、捕まるまで抜けきれなくなることも。
安易に応募することで、あなたの人生も、被害者の人生も大きく狂わせることになるのです。
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新型コロナウイルスの影響で仕事の売り上げが大きく下がった人が対象となる「持続化給付金」の不正受給でも逮捕者が続出しています。
これもSNSなどで「稼げる方法教えます」と参加者を募集していたのです。
これから先も、言葉や手法などは変わりながらも似た事件は続くと予想します。
自分が巻き込まれないよう、どういう言葉に気を付けるべきなのかを注意深く見つめていかなければいけません。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。