浦添市長選 伊礼氏支援3党が対立 共産と社民・社大 それぞれの言い分は


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伊礼 悠記氏

 来年2月7日投開票の浦添市長選で、浦添市議の伊礼悠記氏=共産=が出馬表明を延期した背景には、共産党籍を残したまま無所属での出馬にこだわる共産と、党籍を抜くことを求める社民、社大の対立がある。伊礼氏の周辺によると、伊礼氏は革新3党そろってのバックアップを望んでおり、この問題をクリアして3党がそろっての出馬表明会見に臨む道を模索している。(荒井良平、吉田健一)

 党籍を巡っては候補者選考で伊礼氏の名前が挙がって以降、3党で協議を続けてきたが、決着を見ないままだった。

 社民、社大の両党は伊礼氏が当選するには「完全無所属でなければならない」との立場を鮮明にしており、共産党幹部に対し「党籍を持ったままでは支援できないとの声が党内から相次いでいる」などと、党籍を外すよう求めている。

 選考に関わる県政与党幹部の一人は「共産だから駄目という話ではなく、どの政党に限らず、市民の代表を選ぶ市長選に党籍を持ったまま臨めば支持は広がらない。保革に限らず、どの市長選でも完全無所属が常識だ」と語る。

 一方、共産党幹部は党籍について本紙の取材に「政党間で協議中だ」としつつ「党籍を残した上で無所属候補として立候補する選択肢もある。党籍があるからと言って党の考えを持ち込むわけではない。市民からは党籍に議論を費やすより、那覇軍港の浦添移設阻止に向けた態勢を構築してほしいとの声が多い」と語った。