沖尚理事長ら、賠償請求の棄却を求める 副理事長へのハラスメント否定


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沖縄尚学高校・付属中学校

 沖縄尚学高校・付属中学校を運営する学校法人「尚学学園」の副理事長=当時(62)=が自らの命を絶ったのは、理事長の父親(90)らによるハラスメントが原因として、副理事長の長男らが理事長らに損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が那覇地裁(平山馨裁判長)で開かれた。理事長側は答弁書で「違法なハラスメントを働いたとの事実は一切存在しない」と主張し、請求棄却を求めた。

 理事長側は叱責(しっせき)することはあったと認めた上で「副理事長は反論するなどしており、この程度の叱責で心が折れるとは考えがたい」とした。

 尚学学園と、予備校などを運営する「尚学院」の間に違法な利益相反取引があったとする原告側の主張に対しては、「何ら存在しなかった」と否定した。副理事長が理事長を学園から事実上排除しようとしていたと主張した。

 訴状によると、副理事長は両法人の間の取引にコンプライアンス違反があると考え、是正を訴えていた。理事長らは聞き入れず、学校内外で副理事長を罵倒した。うつ状態になった副理事長は7月に自宅で命を絶ったとしている。