沖縄の米軍訓練場に危険物放置 住民から不信の声「占領地としか見ていない」


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北部訓練場返還地から見つかった米軍が放棄したとみられる電子部品=11月、本島北部

 【国頭】米軍北部訓練場跡地から放射性物質「コバルト60」や国際的に使用が規制されるポリ塩化ビフェニール(PCB)を含む米軍のものとみられる部品が発見されたことに、住民からは「いまだに沖縄を占領地としてしか見ていないのでは」と不信の声が上がった。

 発見現場は、来夏に世界自然遺産への登録可否が決まる「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」に含まれる米軍北部訓練場跡地。同跡地からはこれまでもPCBが検出され、銃弾なども見つかっている。

 部品を発見したチョウ類研究者の宮城秋乃さんは「米軍は危険な物を片付けずに放置し、自然への意識がない。沖縄を守る気もない」と訴える。

 国頭村安田の住民で自然ガイドを務める中根忍さん(64)は「危険物を使用したことすら住民には知らされていないし、廃棄していく神経が信じられない。米軍は沖縄を占領地としてしか見ていないのだろう」と話した。

 国頭村の知花靖村長は「話を聞いて驚いている。詳しいことはまだ分からないが、事実確認をしていきたい」と述べた。