全国大会へ一丸!北山高校駅伝部 県勢最高位の更新目指すチームの強みとは?


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練習後に談笑する北山高校駅伝部の選手たち=5日、今帰仁村の同校グラウンド

 【今帰仁】20日に京都・都大路を舞台に開催される全国高校駅伝大会に、12度目の出場となる北山高校駅伝部の男子は「県記録を更新したい」と日々練習に励んでいる。11月の記録会5千メートルでは6人の選手が14分台に乗るなど好記録を出し、今年は「前回大会記録の3分以上の更新」の期待が高まっている。(喜屋武研伍)

 前回大会では当時の県記録を24秒更新する2時間10分34秒を打ち立てた。特例で参加校の多かった2019年大会を除き、18年以前の3年間だと、19位に相当する記録だ。県勢最高位の30位の更新が期待されるほどの成長ぶりは、さまざまな環境の選手が集まる同校の強みがあった。

 大城昭子監督が掲げる「勝利に近道はない」の言葉通りコツコツと練習に励んでいる。成長を後押しする要因には、仲が良く、かつライバルでもある関係性が影響している。25人中20人が今帰仁村外の出身。互いを理解し合い、良い競争関係を生んでいる。

 ここ3年で北部地域以外の出身選手が急増。全国大会出場常連の強豪校の魅力に加えて、大城監督が中学校の駅伝大会や陸上大会で声掛けをしていたのが大きい。「全国で戦える選手になりたい」とほとんどの選手が強い意志を示す。

 波照間島や久米島など離島勢も多く、宮古島出身の相馬啓佑さん(2年)は簡単に帰省できない環境でも弱音を吐かず「県記録を更新して家族や島の人に良い報告をしたい」と語る。

 ムードメーカーの渡口怜さん(3年)=豊見城市出身=は練習の雰囲気について「めりはりがあって、オフの時はずっと楽しい」と振り返る。寮生活では先輩後輩の上下関係はなく、時にはため口でふざけ合う。だがグラウンドに立つと、ピリっと締まった雰囲気に。長距離走では大城監督が「最後にペースを上げるのは自由だよ」と声が掛かると、全員ががむしゃらに1番になろうと、必死に飛ばす。

 都大路へ向けて源河開偉(かい)主将=豊見城市出身=は「出られないチームメートの分を走り、3年間で一番良い走りをしたい」と固く誓った。